代表的な性感染症
■ ク ラ ミ ジ ア
男性の主な症状
・排尿時に痛む、しみる
・尿道のかゆみや不快感
・透明、又は乳白色の膿が出る
・睾丸の腫れ
・睾丸・股間の激痛
女性の主な症状
・白っぽいオリモノがでる
・性交時に痛みを感じる
・下腹部に違和感を感じる
・重い生理通
・生理でもないのに出血がある
治療方法は?
抗生剤の投与で1~2週間程で完治します。
放っておくと・・・
男性は尿道炎や前立腺炎、副睾丸炎などの症状がでます。
女性は子宮内膜炎、卵管炎、腹膜炎をおこし、子宮外妊娠や不妊症の原因にもなります。また感染をしたまま出産をすると新生児結膜炎や肺炎の原因となります。
■ 淋 病(りんびょう)
男性の主な症状
・尿道がかゆくなったり、痛む
・膿や少量の出血
・排尿時にヒリヒリと痛む
・尿が濁るような分泌物や黄色の膿が出る
・ペニス全体が腫れ上がる
女性の主な症状
・おりものが増える
・緑黄色の濃いおりもの
・陰部が痒くなる
・尿道から膿が出る
治療方法は?
1~2週間程度の抗生剤の投与で完治します。
放っておくと・・・
男性は尿道炎、前立腺炎を引き起こし、男性不妊症になることもあります。
女性は子宮内膜炎や卵管炎を引き起こしたり、原因不明の下腹痛や発熱の原因になっていることもあります。卵管周囲の癒着や、卵管通過性の障害が起こり子宮外妊娠や卵管性不妊症の原因となることもあります。
■ カ ン ジ タ
男性の主な症状
・亀頭のかゆみやただれ
・亀頭に小さな水泡
・尿道炎を起こすこともある
※男性は、性器にカンジダ菌を保有していても症状がほとんど出ません。包茎、糖尿病、ステロイド剤の投与などが原因で、症状が出ることもあります。
女性の主な症状
・外陰部や膣のかゆみ
・ヨーグルト状のおりもの増加
・性器の炎症(灼熱感、痛み)
・性交痛
・排尿障害
※風邪、疲労、ストレスなどで免疫力が低下したり、ステロイド剤、抗生物質の乱用や妊娠などで症状が出ることがあります。
治療方法は?
膣内に挿入する膣錠と経口薬を同時に併用します。治療期間は7日~10日程度です。
治療から2~3週間後にもう1度検査を受け、再発していないか確認します。
■ エ イ ズ (HIV)
どんな症状?
感染して6~8週頃に、発熱や倦怠感、喉の痛みやリンパ節の腫れなどの風邪に似た症状が現れますが、気づかない人も多く、数週間で症状が消えてしまいます。その後、無症候期に入り全く症状のない期間が約5~10年程続きます。
発症期に入ると、体力や抵抗力の低下に伴い下痢や発熱、急激な体重減少、全身リンパ節の腫れなどが起こります。
免疫力が低下しているため、健康な人では問題にならない種類のカビ、細菌、ウイルスなどによる 日和見(ひよりみ)感染症 や悪性腫瘍、神経障害等の症状を引き起こします。
治療方法は?
現代の医学では完治することは出来ませんが、抗ウイルス剤、数種類の薬剤を服用することによってHIV(エイズウイルス)の増殖を抑える治療が効果をあげています。
■ B 型 肝 炎
男女の主な症状
・黄疸(白目の部分も黄色くなる)
・全身の倦怠感
・食欲不振
・吐き気及び嘔吐
・発熱
・黒褐色尿
・白色便
・右腋腹の圧痛
・関節痛
治療方法は?
一過性の急性肝炎では、自覚症状がなく2~3ヶ月で自然治癒するといわれており、安静に保つことが第一です。検査数値が異常に高い、もしくは黄疸などの症状がある場合は入院、食欲不振が強い場合には点滴を行い、ウイルスに対抗する薬の注射や服用を行うことがあります。
■ C 型 肝 炎
男女の主な症状
・全身倦怠感
・みぞおちあたりの不快感
・悪心
・嘔吐
・食欲不振
・体重減少
・手掌紅斑
・クモ状血管腫
・女性化乳房(男性の場合)
どんな症状?
ほぼ、B型肝炎と同じですが、症状が比較的軽く感染に気付かない人もいます。
急性C型肝炎は、50~60%の割合で治療に時間がかかったり、慢性化することがあり、慢性肝炎や肝硬変さらには肝臓ガンに進行していきます。
治療方法は?
C型肝炎の治療は、その状態により方法や効果が違うので、専門医の判断により行われます。急性肝炎の場合は、安静、食事療法、抗炎症療法など、慢性肝炎の場合は、抗ウイルス剤の投与などがあります。
■ 梅毒(ばいどく)
どんな症状?
症状から4つの段階に分かれ、症状が現れる時期と症状が自然に消える時期を交互に繰り返しながら進行します。
第1期(感染後3週間~3ヶ月)
菌が入った場所が腫れますが、放置しても消えます。女性は 小陰唇に分泌物がかぶっているグリグリしたものができます。男性は 亀頭または亀頭冠状溝に分泌物がかぶっているグリグリしたものができる。この後すぐに太ももの付け根のリンパ節が腫れる、痛みはなくすぐ自然に消えます。
第2期(感染後3ヶ月~3年)
病原菌が血液に入り、全身に広がります。全身の皮膚や粘膜にブツブツや発疹ができることがあります。これは、バラ疹とよばれ(赤い大小さまざまの発疹)赤い斑点のようなものです。 痛みもかゆみもない、放置していてもすぐに消えますが、全身のリンパ節が腫れてきます。
第3期(感染後3年~10年)
皮下組織にできる大きめのしこりです。結節性梅毒疹やゴム腫などといわれます。一見体調のよい時期が数年間続きますが、皮膚や内臓で病気は静かに進んでいます。
(現在ではあまり見られません。)
第4期(感染後10年以上)
心臓、血管、神経、目などに重い障害が現れます。
(現在ではあまり見られません。)
治療方法は?
抗生物質のペニシリンの内服や注射で治療します。
ペニシリンのアレルギーのある人には他の種類の抗生物質での治療を行います。
梅毒血清反応(STS)は治療してもなかなか低下しません。陰性化には数ヶ月~数年かかることが多いので、定期的な診察や検査で確認することが必要です。